他院で抜歯といわれて、他に選択肢はないかセカンドオピニオンとして来院されました。 Blog

「抜歯しかない」と言われる前に知ってほしい
歯周基本治療だけで改善した症例
歯周病=すぐに抜歯・手術、ではありません
歯周病が進行していると
「この歯はもう抜くしかないですね」
「手術が必要です」
と説明を受け、不安になる方も多いと思います。
しかし実際には、歯周基本治療だけで大きく改善するケースも少なくありません。
今回は、保険診療の範囲内の歯周基本治療のみで、抜歯を回避できた症例をご紹介します。
患者さんの概要
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年齢・性別:49歳 女性
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お仕事:自営業
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治療内容:歯周基本治療のみ(保険診療)
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治療期間:約6か月
治療前のお悩み・状態
自営業というお仕事柄、
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慢性的な睡眠不足
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口腔ケアが自己流になっていた
という背景がありました。
症状としては
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噛むと痛い
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冷たいものがしみる
といった強い違和感がありました。
初診時の検査結果(かなり厳しい状態)
初診時の精密検査では、
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右下6番 遠心の歯周ポケット:9mm
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出血:あり(+)
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歯の神経:生きている(バイタル+)
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動揺度:3度
骨の吸収は根尖近くまで及び、
重度慢性歯周炎と診断しました。
一般的には、
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抜歯
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もしくは歯周外科・再生療法
が検討されてもおかしくない状態です。
患者さんのご希望:「できれば抜きたくない」
患者さんからは
「できることなら、抜歯以外の選択肢も考えたい」
というご希望がありました。
そこで、
まず歯周基本治療をしっかり行い、
再評価したうえで次の治療を判断しましょう
と説明しました。
再評価後の選択肢としては
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遠心根のみを抜歯し、ブリッジにする
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歯周組織再生療法を行う
などを想定していました。
歯周基本治療で行ったこと
① ブラッシング指導
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正しい歯ブラシの当て方
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必要な補助清掃用具(歯間ブラシ)の選択と使い方
「何となく磨いている」状態から
歯周病をコントロールできる磨き方へ改善していきました。
② 歯肉縁上スケーリング
歯ぐきの上に付着した歯石・プラークを除去し、
炎症の原因を減らします。
③ 歯肉縁下スケーリング(最も重要)
今回、最も重要だった処置です。
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麻酔下で
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目に見えない歯周ポケットの奥深くの歯石・細菌を
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丁寧に除去
さらに、
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根面を滑らかに整え
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歯ぐきが歯に密着しやすい環境を作りました
再評価結果
歯周基本治療後の再評価では、
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歯周ポケット:9mm → 3mm
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動揺度:3度 → 1度
まで改善。
その結果、
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計画していた遠心根の抜歯
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歯周組織再生療法
どちらも行う必要がなくなりました。
歯周病治療で本当に大切なこと
歯周病は
「治して終わり」ではなく、再発しやすい病気です。
だからこそ、
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治療後は適切なメンテナンス間隔を設定
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セルフケアが正しくできているかを定期的に確認
することがとても重要です。
現在も患者さんは、
とても良好な状態を維持されています。
歯周病の最大の原因は「プラーク」
歯周病の最大の原因は、
プラーク(細菌のかたまり)です。
つまり、
✔ 正しいセルフケア
✔ 必要なプロフェッショナルケア
この2つが揃えば、
重度に見える歯周病でも改善できる可能性があるのです。
最後に
「もう抜くしかない」と言われる前に、
まずは歯周基本治療をしっかり行う
という選択肢があることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
当院では、
患者さまのご希望に寄り添いながら、
できるだけ歯を残す治療を大切にしています。
歯ぐきの腫れ・出血・噛むと痛いなど、
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。








